職務発明の外国特許出願に係る対価請求権の扱い

外国特許出願に係る対価請求権を観念した場合、適用される法律は、法の適用に関する通則法7条に基づき第1次的に当事者の意思により決定される。当事者間に日本法を準拠法とする黙示の合意がある場合には、対価請求権の準拠法は日本法となる。しかし、特許…

S45改正三本柱について書けるだけ書く

昭和45年当時において、特許出願の件数が増大しており、全出願を審査することとしていた制度の下では審査の遅延が生じていた。このような遅延によって、特許掲載公報が出願後長期間発行されないことにより、第三者の重複した技術の開発を避けることができ…

ハンカチを所定の形状に折りたたんでハンカチの意匠と称するのごとき、 いわゆるサービス意匠は従来は工業上利用可能性の欠如で 登録阻却事由としていたが、現在ではハンカチ自体の形態ではないので、 物品性を欠くとして意匠の該当性を否定する運用が採られ…

甲は自らの業務に係る物品Aを販売しようとしたところ、 日本語でされた乙の国際出願Bの請求の範囲にAが属すると 思料した。そこで早期にBの特許権の成否を確定させようと 考え、出願審査請求を行うことを思いついた。 甲は出願審査請求を行うことができ…

朝日中央のFAQみたいのに、「Q.後用権に基づいて特許権を実施する場合、 対価を支払う必要はあるのですか」というのがあるが、 そもそも再審自体行われる可能性が極めて低いんだから要らん心配だろ! http://www.muryo-soudan.jp/advice3620/index3966.aspx …

拒絶理由通知の放置が前向きな措置となりうる場合がある。 早く拒絶査定になって審判請求が早くできるから。 これを考えると、他社出願が不応答で拒絶査定になっているからと言って 審判請求の可能性をのっけから否定するのは早計と言える。 もし措置として…

今日は鑑定の依頼に特許事務所に行ってきたが、やっぱプロは 見てるとこちげーなと思った。 詰め込みの知識と経験とは車の両輪でありどちらが欠けても進まない。

意匠の類似の範囲は一義的に決まらない。そこで、従来類似意匠制度を設けて 登録意匠の類似範囲に限り先願により拒絶されないとし、類似意匠により 類似の範囲を明確にする試みがあった。 しかし、類似意匠の効果について確認説と結果拡張説に解釈が分かれて…

国際予備審査請求は国際調査報告書及び見解書の通知の送付より 3ヶ月以内もしくは優先日から22ヶ月以内のいずれかの遅い方までが 請求可能な期間である(根拠条文がどこかわからない・・)。 国際予備審査報告書は優先日から28月までに出さなければならな…

国際出願において図面の添付がなかった場合、 移行の際に実用新案法48条の7第1項に基づき、 国内処理基準時までに図面を特許庁長官に提出しなければならない。 この規定はPCT7条(2)(ii)に基づくものである。 PCT7条(1)に拠るものではな…

職務発明にかかる特許を受ける権利を承継した使用者から、 さらに特許を受ける権利を承継した転得者が設定登録を受けた場合に、 当該使用者に通常実施権が発生するかが問題となる。 通説は、発生しないとする。その理由は、 ・従業者が発明を行い、特許を受…

34条4項(特許を受ける権利)も、98条1項も、 「登録をしなければ効力を生じない」のであって、 「登録をすれば当然効力を生じる」わけではない。 移転契約などに瑕疵があれば、効力がない場合もある。 この登録は、行政法の講学上の「認可」であると…

(被告適格) 第百七十九条 前条第一項の訴えにおいては、特許庁長官を被告としなければならない。ただし、特許無効審判若しくは延長登録無効審判又はこれらの審判の確定審決に対する第百七十一条第一項の再審の審決に対するものにあつては、その審判又は再…

行政事件訴訟法の出訴期間6月に比べて審決等取消訴訟の 出訴期間が30日と短いのは、特許事件は対世的効力を有し、 迅速な処理が求められるから。 通常の行政処分であれば名あて人以外の第三者へ与える 影響は限定的。

賃借人が賃借に係る不動産の不法占拠者に対して明渡しを 求めるには、債権者代位権を転用して、 賃貸人の物権的妨害排除請求権を代位行使して 退去を求めることができる。 特許の専用実施権は物権的な権利であり (不動産でいうと地上権・永小作権みたいなも…

あと昨日の続きみたいな感じになるが、 無効審判は無効と名はつくものの、 行政法の講学上の取消に当たるんではなかろうか (正確に言えば、特許査定が無効な行政行為であることを審理するのではなく、 取り消しうべき行政行為であることを審理するというこ…

第百六十七条 何人も、特許無効審判又は延長登録無効審判の確定審決の登録があつたときは、同一の事実及び同一の証拠に基づいてその審判を請求することができない。 特許法 クロム酸鉛顔料およびその製法事件(最判平12・1・27) 甲無効審判請求がされ…

あと、行政法がらみでは、90条の裁定の取消は後発事由によるものなので 取消と言っても講学上では撤回である。なんで撤回前の行為は 有効と考えるべきだろう。ソースないけど。

行政法がらみで言えば、特許無効審決の審決取消訴訟が 講学上の形式的当事者訴訟であることは有名だが、 特許法183条の、裁定で定める対価の額への不服の訴えも 同様に、当事者間で争う形式をとる形式的当事者訴訟である。 行政書士試験の行政法の問題も…

特許庁長官は特許法83条、92条、93条の裁定をするときは 工業所有権審議会の意見を聴かなければならない (特許法85条)。審議会は諮問機関である。 すなわち、意見を述べるがその意見に法的拘束力のない 機関である。 行政法を勉強していたので諮問機関は懐…

81条の法定通常実施権は無償だが、82条は有償。 実施権者はもともと原意匠権者に対価を支払っていたのだから、 という理由。じゃあ無償で許諾を受けてた場合はどうなんだ、 という論点については、無償の許諾であっても許諾者は なんかしら利益を見込ん…

特許法80条三号に基づいて原特許の通常実施権者に 中用権が生じる場合、登録していた通常実施権者はもちろんのこと、 登録していない法定通常実施権の実施権者にも発生することに注意。 同法99条2項は、法定通常実施権は前項の効力を有すると している…

先使用権の論点についてまとめたいが、まだ脳内が整理されてないのでやめ。 法定通常実施権は、 職務発明・先使用・無効審判請求登録前の実施(中用)・意匠権存続期間満了後の実施 ・再審により回復した特許権の実施(後用) があることを覚えておこう・・・

特44条二号と三号の時期の分割には、加重的な要件がある。 すなわち、分割出願の直前の明・請・図に記載された事項の範囲内で あることである。二号及び三号の時期(特許査定の謄本送達から30日以内と 拒絶査定の謄本送達から3月以内)は、拒絶査定不服…

44条1項2号と3号の論点については明日書く。

特44条2項で、出願日の遡及の例外として但書に挙げられているのは、 29条の2、30条4項、41条4項、43条1項であるが、 後ろの3つは証明書類提出についての規定であり、これは 擬制がはたらいて分割出願と同時に提出されたとみなされることに …

特許法改正法案は5月31日に成立。

また、特許権侵害の要件には「業として」(68条、2条3項各号)が含まれている。このため、最終的組み立て工程が個人的・家庭的に行われるものについては、何人も侵害の責を負うことがない、という不都合が生じる。間接侵害 この論点は一太郎事件から出てきたの…

間接侵害について独立説に立つ場合、101条一号のいわゆる「のみ品」について、 他の用途が存在するので「のみ品」に該当しない事情がある場合については、 当該他の用途は、「経済的・商業的な他の用途である」と狭くとらえる。 これはすなわち、「のみ品」…

高林先生は間接侵害においては従属説を主張する。 つまり、間接侵害においては直接侵害の事実も必要とするとの説である。 これは、ざっくりいうと刑法においては予備的行為で処罰されるのは 社会的法益を損なうもの(内乱罪とか)に限られているのに、 単な…