補償金請求権の行使においての警告後に補正した場合の再警告の要否

特許法65条1項を文言解釈すると、
「特許出願に係る発明の内容を記載した書面を提示して警告」が必要であり、
補正後の「特許出願に係る発明」は補正前と異なるのであるから
再度警告が必要なようにも思える。
しかし、本条において警告を要件とした目的は、
補償金請求権者による不意打ち的な行使を防止すること(☆)である。
してみると、最初の警告でその目的は達成されているのであるから、
補正により減縮した発明を実施している者に対して補償金を請求するに当たっては、
再度の警告は不要とするのが判例である。
なお、減縮ではなく請求項を変更した場合の再警告の要否については
判示されておらず(☆)、上記判例を担当した調査官も、のちに
このような場合の再警告要否については今後の検討課題である旨述懐している。


☆印の部分にちゃんと触れるがミソ。